野良犬(黒沢明)

 三船敏郎が若い!そしてもちろん格好いい。(志村喬も)

 「闇市の中、ギラギラした眼で手掛かりを探して彷徨う、三船演じる若い刑事」のシーンや、「野球場での犯人との駆け引き」といった名シーンが言及されることの多いこの映画。クライマックスである「駅待合の客の中から犯人を足元から特定する」という場面を見て、「激突」での「ダイナーで謎のトラック運転手を特定する」というサスペンスシーンはスピルバーグ流の引用だったのだなあとプチ発見。(リチャード・マシスンの原作にもありましたっけ?)

 が、全体の印象としてはやっぱり水準作であって、飛び抜けた名作とは思われなかった。だいたい2時間という尺も、あと10分はつまめるんじゃないかと。その10分が味わいかもしれないが。最近の映画のハイスピードな展開に毒されてるのかなあ・・・