ピアニストを撃て

グーディス読書第2弾。この作品もソリッドなノワールもの。

かつてピアニストとして名声を手にしたこともある主人公は、今は場末のバーでしがないピアノ弾きとして糊口をしのいでいる。彼は危険な稼業に手を染めている兄弟から距離を置いて、あえて孤独な人生を選択していたのだが、ある晩そのバーに兄弟がやってきてしまった。トラブルを抱えて・・・

狼は天使の匂い」が構成すらも美しいバランスから成り立っていたのに対して、主人公の揺れ動く心理に呼応するように方向が定まらないストーリー展開が特徴的。落とし所が見えない筋なので、また違った緊張感があった。トリュフォーがどのように料理しているのか、今度映画版も見てみたい。