ヴァン・ヘルシング(スティーブン・ソマーズ)

 夏の大作としては必要十分。アクションの組み立てがしっかりしている。話は駆け足だけど、まあ娯楽作品だから複雑にする必要はないし。一番関心したのはドラキュラ城での高低差を活かした落下アクションの浮遊感。夢に出てくるような不思議な感じ。しかし今までの監督作品のような細部への気配りというか、細かい所作とかギミックの部分がおざなりになっているような気がして少し残念であった。

 しかしなにが残念といって、ドラキュラ伯爵の安い感じがなんといっても一番残念だった。(しかしクリストファー・リー含めて、今まで頭で想像するドラキュラ像よりも重厚な役者っていたためしがないな。重厚ではないが、トム・クルーズの吸血鬼が一番退廃的な魅力を醸していたような気がする。)