LOVERS(チャン・イーモウ)

今回もチャン・ツィイーは泣きべそ一歩手前顔。魅力はあるけど、もうちょっと芸域を広げた方がよいのではないか。タイプキャストが続くと今後のキャリアに障りがあると思う。

今回も「HERO」ほどではないが、様式美の世界だった。開幕、遊郭のセットセットしたつくりは(美しいとは思いつつも)いかがなものかと思ったのだが、これから語られる物語は一種のオペラだと了解すると違和感を感じなくなった。つまり歌う代わりにアクションで感情の高まりを伝えるタイプの作品な訳ですね。美しければなんでもありだから、青々した竹林の後に紅葉のシーンが続き、それだけでなく吹雪さえ吹きすさぶ。・・・うーむちょっとやりすぎではなかったろうか?

役者陣は割りとがんばっていた。金城武はやっぱり大根であったが、でも上手くないなりに良さはあると思う。逆にアンディ・ラウのキャラクターは役者が巧みな分だけ暑苦しかった。(まあそういう人物造形なんだが。)

グリーン・ディスティニーに始まった泥鰌漁だけども、この釣り場はもう捕り尽くされたんじゃないかなあ。

※インタビューによるとウクライナで撮影された吹雪のシーンは実景(加工はしているが)だったそうだ。すごい。