コンフェッション(ジョージ・クルーニー)

思ってたより全然よかったよ!

テレビの隆盛期、この業界で天下を取ってやろうと悪戦苦闘していた男チャック・バリス。思うようにならない現状にくたびれていたある時、彼は「刺激的で金になる仕事」にスカウトされた。雇用主はなんとCIAだった。

「初監督作としては及第点」みたいな微妙な評価をよく目にしていたので、一応押さえておくかとビデオで見てみたのだが。(影武者的サポートが存在するのだろうけど)ソツなくツボを押さえた演出で大変楽しめた。正直「ヒューマン・ネイチュア」よりいい出来だと思う。
チャーリー・カウフマン脚本作はそもそも寓話的な物語なので、監督の演出に膂力がないと説教くささの側面が出てしまうきらいがある。今回はジャンルムービーの様式美みたいなところで上手く中和されていたのではないだろうか。

個人的には結末近く、表と裏の両方の仕事から追い詰められた主人公の、正気と狂気の狭間に立たされた心理描写が面白かった。また電話でのやり取りのような場面で、電話相手の部屋を主人公のすぐ後ろにセットで組む(というデジタル処理をしているのかもしれないが)ような演出が、映画全体を通してされているのが目新しい。(「レザボア・ドッグス」でスポット的には使われていたけどね。)