映画
ブルックリンにクッパ城を引きずり込んでしまうのは、「故郷へ錦を飾る」ためとはいえ、やっぱりヒーロー映画におけるマッチポンプ問題として気になりました。それはさておき、マリオのゲームの世界観がキャラクターの造形といい象徴的なオブジェクトのなじ…
実質的に『大統領の陰謀』リメイクという印象。記者もの、会議ものって格好いいですよね。インタビューするシーンの撮り方、レイアウトが何気に「決まって」いてそこも気分が上がる要素だった気がします。 二人主人公体制のつくりですが、実質ジョディが主役…
制作陣のテーマへの向き合い方の真摯さを疑うものではないのですが、「今まさにこのタイミングで言わなければいけないことを言う」ことにあまりにも依拠している感じがして。 上記はもちろん大事なことであるし、志は買いたいのですが、それさえ果たせばとい…
ちょっと前でいうジャド・アパトー関連の、少し下世話な、それでいてちょっとホロリとさせる人情コメディの線を狙ったタイムループものなのかな。 なんですが、物語の骨格はほぼ同じといってもいい『明日への地図を探して』の方がより好みでした。先に見た方…
申し訳ないですが、何かを信じすぎることはよくないなと思いました。 ☆☆☆
記憶が失われ、かつ他人の体に魂が乗り移る男の孤独な闘い、という導入が面白かったのだけど、だんだんネタが割れてからは普通になったかな。とはいえ、「乗り移った身体とは関係なく、本人の身に付いたスキルが勝負を分ける」という設定と展開は結構盛り上…
ちょっと前の映画だけど、韓国の暴力描写のエクストリーム化路線に懸念していたことが的中していたなと思いました。「ためにする残酷描写」がひどすぎて僕にはアウトだった。フィクションなんだからそこは作り手次第な訳で、物語の要請上もあそこまでする必…
端的にいって『オール・ユー・ニード・イズ・キル』なんだけど、そもそもカーナハン監督って、過去をやり直すとか過去を取り戻すといった物語へのオブセッションがすごいなと思う。『NARC ナーク』から此の方その話しかしてないくらいの印象があります。 と…
角川文庫版で当時最後まで読みましたが、幻魔大戦とか宇宙皇子とか流行っていたような記憶と一緒になっています。そうそう確かにそういう話だったなと思い出しながら見ていたけど、一見さんにはなにがなんだかという作り。正直、作品としても長いわりにほど…
いい湯加減の娯楽作品で、贅沢なキャストの割りにアクションは実は控えめだから意外と予算はほどほどだったのかも。僕はガイ・リッチーのリッチ描写が好きなのでその点は楽しめました。ブラックコメディなのかシリアスなのか、みたいな案配は『スナッチ』に…
公開時に観て、以降、高校生から大学生にかけて何度もダビングしたビデオを見返したけど、正直、ジャスト水準作だとは思います。松田優作のシーンを真似するほど好きだったのだけど。 あと、ブレードランナーの実質セルフリメイクですよね。異文化との衝突と…
公開時に観たきりだったけど、久しぶりに見返してみました。当時は長いな…という印象で、グレイスミスが事件にはまりすぎて憔悴するあたりからもういいんじゃないかなという気分になりました。 今回は、意外とブラックコメディ的な呼吸で演出されていること…
全体としては虚々実々の警察と詐欺師の駆け引きのサスペンスなんだけど、要所でディテールが大味かなという描写もありました。総じて面白かったのだけど、『毒戦BELIEVER』というかオリジナルの『毒戦』でも印象的だった(というか「毒戦」という作品の要と…
予測を裏切るホラーだったですね。序盤の演出が絶妙だったから、ネタが割れてからは消化試合になってしまうのは仕方ないか…それにしてもジャスティン・ロングは得しない役をよく受けたなと思いました。 あと『悪魔の沼』のホテルと同じ意味合いで、そこに泊…
正直こういうジャンルの映画を見ると、どういう気持ちになればよいのか…と途方に暮れる。まさにそれが狙いだとしたら正解なのかもしれないのだけど。それと映画館でやっぱり観るべき映画というのがあって、この作品もまさにそうだった気がします。そういう映…
航空パニックものと刑事もの、そしてポリティカルサスペンス的な要素をトッピングしました、という作品。正直個々の要素は定番をなぞるだけで新鮮味はなかったし、テロ実行犯の動機も「動機のための動機」みたいで説得力がなかった(そうでないと物語が始ま…
競馬場からの現金輸送車を襲撃する、という発端こそ『現金に身体を張れ』なんだけど、裏切り裏切られ、死体の山が次々と築かれるところはテンポのよさもあってなかなか切れのあるノワールでした。 仕事を組むに値する人間なのか試すところなんかはプロフェッ…
都筑道夫が原作シリーズという設定で見てみました。中平監督といえばまずは『狂った果実』ということになるかもしれませんが、結構こういうジャンルも手掛けています。主題歌作詞が谷川俊太郎というのも面白い※。 作品そのものはお気楽な犯罪コメディ。クレ…
4が製作されていることすら知らなかったのですが、スクリームシリーズは好きだったので順番でいえば5にあたる(そして直接の続編である)今作も気になって見てみました。 過剰に自己ジャンル言及的なつくりで話題を集めたシリーズだけに、今回もその構造は…
タイトルバックであからさまにモーリス・ビンダーというか007を真似しているのだけど、あまりの貧乏くささに「ウワッダサい」と思わず声が出てしまいました。 かように全体としてなんちゃって007なんだけど、監督が鈴木清順組出身だったからなのか、清順タッ…
(ネタバレかもしれません。)ようやく見ました。すみません、TVシリーズは長かったので映画版です。所謂劇団新感線イズムというか中島かずき節をやるならロボットアニメがいいのでは?もともとのインスパイア元だし、という企画だったと思うのですが、その…
あまりにもセカイ系がすぎるだろうとやはり思いました。いつの世代もそういう需要が一定あるということなのかな(この前も書いた気がしますが)。恋愛がすべてであるような青春描写も抽象的空想的すぎて飲み込めなかった(地に足がついていない頭で書いたド…
丁寧かつ誠実に作られた作品だと思うのだけど、やはりA24製作の映画とは合わないのかな。なんだかどれも同じ匂いがする。「生活に問題を抱えている」けれども居心地のよさそうな調度、とか、こざっぱりしたインタビュイー、物語に集中してほしい故にノイズと…
常軌を逸した犯罪者を常識外れの刑事が叩きのめす、というシンプルな話。ストレートな捕物帳で娯楽作品としては十分満足でした。しかしながら、1作目の組織同士の抗争と市井の人々のようなレイヤーの異なる人間ドラマの妙味には乏しくて、すこし残念だった…
最近の若い人にはもはやピンとこないかもしれませんが、『リバー・ランズ・スルー・イット』あたりからロバート・レッドフォードの再来と呼ばれるに至ったブラッド・ピットが、いよいよ満を持して「ご本人登場!」となった、という出オチ企画感が当時ありま…
映画の草創期から現代に至るまで、映画音楽がいかにして発展を遂げてきたかをコンパクトに過不足なくまとめていて素晴らしかったです。 個人的には、パソコン上で作成された楽曲をオーケストラ用の譜面に起こすオーケストレーターを始めとして、必要な見出し…
北と南の国境を越えた相棒ものは『義兄弟』しかり、傑作が多いですね。主人公のひとりはヒョンビンだったんだけど、この人が話題になっていた「愛の不時着」の役者さんだったんですね。同じく北朝鮮の実直な軍人という役どころで、キャスティングにはこの映…
(ネタバレかも)低予算のアイディア勝負だからこそ輝く監督たちがいて、アダム・ウィンガードもその一人だったんだな…とちょっと寂しい気持ちになりました。 いくらなんでもちょっと場当たり的な展開すぎる。 ・小栗旬、何しに出てきたの? ・今、仲間が死…
クライマックスの殴り込みシーンだけがケレンの効いた監督らしいアクションだったけど、それ以外は普通というか…物語の都合なんだけど、すべての原因になっている弟の愚かさが突出していてちょっとついていけませんでした。 ☆☆1/2
そういえばリメイクあったね、という遠い記憶でしたが初めて見ました。2000年代特有のクリアで平板なルックで、やっぱりオカルトだったりホラーだったりが70年代に流行ったのは、(ニューシネマあたりからの)粒子も荒々しいフィルムだったからこその見た目…