映画

万引き家族(是枝裕和)

パルムドールに相応しい力作だったけど、『楢山節考』しかり、受賞はやはりある種のエキゾチシズムに依拠してる気もして、是枝作品だったら別の映画に授賞してほしかった。 ケイト・ブランシェットが絶賛した安藤サクラはもちろん上手いというか凄まじかった…

ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ(マイケル・ドハティ)

どうしても書かずにはいられないけど、SNSでネタバレはよくないなと思い、ブログで書きます。つまりネタバレ全開です。(否定的感想なので、楽しく観られた方は読まないでください。) ・お母さんはゴジラによって息子を失ったことがどうしても耐えられな…

アベンジャーズ/エンドゲーム(ルッソ兄弟)

<ネタバレです>10年間ありがとう、そういう気持ちで胸がいっぱいになった。正直、ソーのくだりなどでは、まさかこの調子で全編やり抜くつもりなのか…それはそれでチャレンジだけど、と思いもしたのだけれど。 すべての始まりだった『アイアンマン』の功…

ザ・ゲスト(アダム・ウィンガード)

製作者の「80年代映画が好きやねん」という熱い想いに打たれる。最後辺りは『ファンハウス』を思い出したり。丁寧なつくりもいいと思います。 というか、『家族ゲーム』のハリウッドリメイクということでいいんじゃないかな。 ☆☆☆1/2

アトミック・ブロンド(デヴィッド・リーチ)

エスピオナージュというジャンルは、結局、ハードボイルドと同様に形式そのものに淫する在り様を指すのだなと納得しました。 端的に言うと「なんかいろいろな思惑がある勢力が複数入り乱れて、主人公は自分自身もよくわからなくなりました」という枠組みなの…

スリー・ビルボード(マーティン・マクドナー)

『ヒットマンズ・レクイエム』を観て、オフビートという言葉でも上手くいえない変な映画を撮る人だなと思ったのだけど。今作はむしろ舞台でも成立する話だな、というのが第一印象で、事後に実は劇作家として既に名を成した人だったのだと知って、さもありな…

パシフィック・リム: アップライジング(スティーヴン・S・デナイト)

映画としての精度でいえば前作なんだろうけれど(そして実はあまりピンとこなかったのだけど)、子どもが独力でロボット作ってたり、その上いきなりスカウトされたり、ふらふらしてた主人公がいきなり教官になったり、という無茶にもほどがある物語が逆に「…

スピード・レーサー(ウォシャウスキー姉妹)

もっと箸にも棒にもかからない映画かと思っていたら、割合面白かった。展開や理屈の飛躍が過ぎるけど。 アニメでも映画でも、騒がしいガキと動物は苦手なんですが、この映画に関してもやっぱり好きではなかった。けれども、監督たちの「そこは譲れない」とい…

ペンタゴン・ペーパーズ(スティーブン・スピルバーグ)

政治的なイシューって、最終的には決定権のある個人(政府報道双方含む社交界メンバー=現代の貴族階級)の感覚的、感触的な部分で決まることが顕わになっていて、そこが面白かった。だからこそインテリジェンス活動の介入する余地がある、ということでもあ…

ボヘミアン・ラプソディ(ブライアン・シンガー)

久しぶりにこんなに入っているのを見たな、というくらい映画館がいっぱいだった。正直、物語そのものはあまり葛藤みたいなものがなくて、割とあっさり風味だったけれど、ヒットしているのはそれ故かもしれないと感じました。バンドメンバー優しすぎるだろ! …

ヴェノム(ルーベン・フライシャー)

ちょうどいいヒーロー映画という感じでした。毎回『ウィンター・ソルジャー』級が観られる訳もないのだから。 ヴェノムさんが想像してた以上に優しいし、親切すぎる。原作設定から「寄生獣」に大分寄せてきた感じがあった。 常識からいえば、ストレスのせい…

勝手にふるえてろ(大九明子)

天才とはよく言われるところだけど、この映画で松岡茉優の凄さを初めて理解した。また受ける立場の渡辺大知の好演も大きかった。最初は鬱陶しく感じられるんだけど、話が進むにつれて、その姿勢の真っ当さが格好良く思えてくる。特に最後のやり取りのシーン…

オートマタ(ガベ・イバニェス)

最近アマゾンプライム映画で落穂拾いしてることが多い。この映画もそんな感じで鑑賞したのですが、意外なほど良かった。 話は終末的世界でロボットが自我に目覚めるという、(まあ低予算と相性がいい物語ということもあると思うのだけど)過去に何回となく作…

インクレディブル・ファミリー(ブラッド・バード)

語るべきエピソードがないのなら、あえて作らなくてもよかったのでは・・・というのが正直なところ。(商業上の要請ゆえ、というのは当然あると思うけど。) アクションは盛りだくさんなんだけど、贅沢なことに、観客(私)は大概の事には慣れてしまったとい…

ブレードランナー2049(ドゥニ・ヴィルヌーヴ)

最近のリブート的続編にありがちな、ブレードランナーといえばこれでしょ?といった感じの目配せが逆に面倒くさい、という個人的感想はあるものの、お金と手間の掛かったあの世界観の再現は観ていて目に楽しく、長時間も気にならなかったという意味では充分…

マグニフィセント・セブン(アントワーン・フークア)

まずよかったのは、監督が「もし俺に西部劇のオファーがあったら、こんなことをやりたいな…」と思っていたであろうことが、その気持ちが、全部画面に炸裂していたところ。今に続く西部劇の歴史が培ってきた様式美、ケレンが余すところなくサンプリングされて…

クライム・ヒート(ミヒャエル・R・ロスカム)

ビデオスルーという状況と邦題からすると、一番有名な出演者がスコット・アドキンスのB級アクション、みたいだけど全然違います(いや、そういうのも好きなんだけど)。観終わった後あまりに面白くて、つい久しぶりに感想を書きたくなった次第。 デニス・ル…

シン・ゴジラ(庵野秀明)

ファンの人が鼻息荒く「日本映画史に残る!」とまでいうほどの手放しの絶賛ではなかったのだけど、単純に面白かった、とも言い難いような、一種名状しがたい映画ならではの感興を催すという意味で、やはり傑作だと思いました。 物語全体のバランスもいいとは…

:『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(J・J・エイブラムス)

ファンメイドとしてはすごくよくできてる、みたいな作品。調整能力に秀でたエイブラムスらしい仕上がりだった。(わざと)のったりのったりしたストーリーテリングとか、オールドファッションなプロダクションとか。 その一方で、全般的に各方面に配慮しすぎ…

007 スペクター(サム・メンデス)

これが邦画だったら「守ると誓った、この命を懸けて」みたいな如何なものかキャッチが躍るところだと思うけれど、僕は話としてはそういうの大好物なので、この作品も好きでした。(ネタバレ前提なので未見の方はご覧にならないでください。) とはいえ、クレ…

マッドマックス:怒りのデス・ロード(ジョージ・ミラー)

なんというか神話的な物語であって、すばらしい傑作。 こういうのは偶然ではもちろん作れないのだけど、さりとて狙ったからといって作れるものでもなくて、言語化できない「名作としかいいようのない何か」の領域に達しているという意味で、映画史に残る作品…

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(クリストファー・マッカリー)

これまた傑作でした。 世評高い4については、部分部分で凄い!と思っても、全体としては(いまとなっては)凡庸な印象であって、一方がっかりと言われている3については「大作戦」感が良かったのでは…という感想を持つ者です。(結果として1が一番好き。)…

ホビット 決戦のゆくえ(ピーター・ジャクソン)

文句はない、が、面白くもない。というのが講評であります。 やはり当初の構想どおり二部作にすべきだったんや・・・合戦シーンで体感8割は長すぎる。 ☆☆☆1/2

寄生獣(山崎貴)

およそ望みうる最高の形で映画化されたといっていいのではないでしょうか※1。監督の作品にはこれまで正直いい印象がなかったので、嬉しい予想外でした。以下メモで。 ・アクションの構成について:パラサイト同士の斬撃の弾き合いなど、一撃の重さやスピー…

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(ジェームズ・ガン)

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の時はいい意味で大人向けと書いたんだけど、こちらはいい意味で子供向けの映画だったと思います。例によってメモ形式で。 ・まず、堂々たる大作をジェームズ・ガンが真正面から作りきったという点に驚いた…

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(アンソニー&ジョー・ルッソ)

これは良くできた映画でした。なんだか数合わせで作られたようなぬるま湯の前作からすると驚きの進歩。『アベンジャーズ』がいい意味でのお子様ランチだとすると、大人な風格のある作品だと思う。 ・冒頭のランニング合戦でのやりとりからして楽しい。気が利…

ロボコップ(ジョゼ・パジーリャ)

題材との相性から、パジーリャの起用を考えた人は慧眼なり!と当初発表されたときは思ったのだけど、先に結果を申し上げるならば、もっとやれるはずなのに…という感想になります。 オリジナルのどこがよかったのか改めて考えると、あのスッキリしない感じ、…

戦場のメリークリスマス(大島渚)

恥ずかしながら、DVDがレンタル化されて今回初めてみたのですが、たいへん面白かった。いいのは音楽だけ、という感想を当時から聞いていたから、もしかして本当にそういう作品なのではと危惧していたけど※1、杞憂でした。ちなみに僕の記憶の中では『地獄…

ホビット 竜に奪われた王国(ピーター・ジャクソン)

数多のフォロワーが発生したにも関わらず、やはりこの規模と精度でファンタジーを映画化した作品として『指輪物語』シリーズは突出してるな、と改めて思いました。ちょうど『スター・ウォーズ』EP4〜6がそうであるように。違いとしては、結局SWの1〜…

ことしのベスト3

1 『ゼロ・グラビティ』 生きる意味を見失っていた主人公が、宇宙という子宮を通じて再誕する、そして生の重みを改めて感じる→「Gravity」/ということで言葉にすると身もふたもない感じになってしまうけど、全てを映像で語り切ってしまうその圧倒的な手際…