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ビジネスブリーフバッグ:コーチ/ブリーカー

 今使っているナイロン+レザーのバッグが相当傷んできていたので、そろそろ買わなきゃと思っていたのですが、ジッパーが壊れたのが最後の一押しになってようやく決断に至りました。(女性はともかく、男性はバッグをどういうタイミングで購入するのだろうか?)
 オーソドックスなレザーのブリーフタイプで、というのは最初から決めていたのだけど、シャンボール・セリエだと身の程を過ぎた値段だし、シセイも些か高すぎる。でもドメスティックブランドだとカッチリしすぎていて色気に欠けるなあ…と悩んでいたら、コーチの直輸入が結構お手頃価格になっているのを発見。
 しかし男物でコーチってなあ…という逡巡がまずあり、正直、それはないだろという配色もあったりで、実際に見る前の印象は必ずしもよくなかった。そこで、まずは見てからだ、とデパートの店頭に確認にいったのですが(申し訳ございません)、シンプルかつブランドを押し出さない控えめなデザインで、これならいける!となりました。色はフォーンというタバコカラー※。
 それと特筆すべきは、充実した荷室のポケット配置。吉田カバンのデザイン室がディレクションしたのかと思われるほど行き届いた仕様。ちなみにブランドアイデンティティのタグは外しました。
☆☆☆☆☆
※率直に言って、やはり色によってはううむ…というのもあります。

靴の手入れ

 諸事情により自分のための散財がほとんどできなくなったので、物欲日誌に書くような内容もここのところあまりないんだけど、いろいろ使ってみて自分なりの定番「靴の手入れクリームリスト」ができたのでちょっと書いておきます。(手ごろな値段のもの。)
 クリーニング:諸説ありますが、基本的にクリーナーは必要ないと思う。保革クリームとしてサフィールのデリケートクリームを使用していますが、塗る過程で余分なワックスなどは取れるから。このクリームはかなり汎用性が高いので重宝します。ブックバインダーみたいなスムースレザー(ピカピカしてる感じのもの)だったら同じサフィールのレノベイターが相性がいい。
 それでもちゃんと汚れを落とすことに特化したものが必要な場合、たとえばしっとりした質感の濃色(バーガンディなど)系の革、あるいはコードバンなどにはコロニルマイルドクリーナーが使い勝手がいいです。こちらもかなり汎用性が高い。もっと汚れがしつこい場合にはモゥブレイのステインリムーバーを使っています。
 磨き:油性のいわゆるワックスだと、カピカピになって下手をすると革が割れるケースもあるので、乳化性クリームのほうが安全だし浸透しやすい。靴の修理は百貨店の靴修理専業店にしか最近は出さないようにしていて、ミスターミニットは場所によっては本当に仕事が雑なので避けているのですが(仕事の早さを売りにしてるから仕方ないけど)、クリームは意外といいです。※
 靴は本当に費用対効果が高いと思うので、手入れに堪えるもの(物理的にも)を買って10年くらい履くのがいいと思うなあ。
※いま値段を確認したらモゥブレイでも変わらないな・・・ツヤ出しクリームは一度買っちゃうと全然減らないから、ひどいやつじゃない限り代えないんですよね。

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ペンダントライト:PH50(ポール・ヘニングセン)

 猫も杓子もダイニングテーブルといえばPH5っていうのがなあ・・・と思っていた時期が私にもありました。いやーベタ以外のなにものでもないのだけど、やっぱり定番の良さというものはあるのだなと。
 予算的にPH4−3も検討したのですが、印象的に小さいので複数で構成しないとパンチがない。ダイニングのアクセントとしては悔しいけれどPH5がやはりちょうどいいサイズなんですね。ただ色は白だと控えめに過ぎるので、ワサビグリーンというペールグリーンにしました。これがオーク材でまとめていたテーブルとチェアと予想以上に相性が良かったので一安心。逆にウォールナット材だと白の方がいいかもしれません。あと、これは好みですが、PH50モデルは間接光の反射板がアクセントとして赤になっているので、色をうるさいと感じる人はPH5のタイプと実際に照らした状態で比較すべきと思います。
 それと設置状況にこだわることが可能なら、コードハンガーや蝶結びみたいなのはやっぱりきれいじゃないので、ここまできたら(どこまでだ…)ケチらずにジャストサイズでぜひコードカットすべきでしょう。あと調光設備はできればあった方がいいですね。というか個人的にはPH5のポテンシャルは絞った時とMAXのときの表情の振れ幅にある、と断言したい。
☆☆☆☆☆(電球はLEDじゃない方が…)

蛇の卵(R.A.ラファティ)

 読みにくいとされる『悪魔は死んだ』が作者の既訳長編ベストだと思っていて。理由を考えると、どんなに迂遠なストーリーテリングであっても、最終的には「冒険活劇もの」というジャンル小説の枠組みに帰ってくるという安心感があったから、かもしれない。
 翻るにこの作品は、散々寄り道、飛躍したあげく、そもそも帰ってくる気がなかったという大技を使っていて、いやー厳しかったっすね。例えて言うなら『指輪物語』に対する『シルマリルの物語』的というのか、ラファティ世界のバックグラウンドが掘り下げられているものの、掘り下げることそのものが目的で、物語全体をドライブするなにかが決定的に欠けているような気がしました。
☆☆☆

問いのない答え(長嶋 有)

 SNSでゆるやかに繋がるここ最近の世間のありようをまるごと文章世界で再現する、ということと、そこから「秋葉原通り魔事件」や「東日本大震災」という大問題へ斬り込んでいく(ただしいつものようなささやかな身振りで)というのが今作のテーマだったと思うのだけど、というかまんまですが、残念ながらそれが上手くいっているようには思えなかった。
 その要因として、1.空中ブランコのように次々と主体が入れ替わるというスタイリッシュな語りのスタイル:主題に対する心理的、地理的距離感は人それぞれなので、いろいろな立場の登場人物が折に触れ感じる心の移ろいからこそ描き出せる、という狙いに対して(だからこそツイッターという軽さを採用しているのも分かるけれど)、やはり多面的に描くにしてもそれなりに腰を据えた描写が必要だったのではないだろうか。
 2.むしろブルボン小林名義の方がしっくりくるような「あるある」的な内面描写:言語化されて初めて確かにそうだ!、と膝を打つようなコラムは作者の得意とするところであって、今回対象にしているような事柄を扱う場合でも、人間四六時中眉間に皺を寄せて思い煩っているわけじゃないよね、というバランス感覚を大事にしたかったのだと推察するのだけど、やはり軽すぎる印象は否めなかった。「震災以後」をいかに扱うか、というのは作家にとって大きな問題であって、いかに対峙するかということへの作者としてのひとつの真摯な回答ではあったのだと思うけれど、かなり物足りなかったと言わざるを得ない。
☆☆☆

スタッキング可能(松田青子)

 話題になっていた本ですね。装丁含め「ナイスセンスな案配」がトータルパッケージとして高評価だった理由である気がします。
 表題作については、個人的にはいかにも現代文学的なトリッキーな構造というものがあまり好みでないので、正攻法で書いてほしいという気がしたのですが、まあこれは好みなので…。「所詮歯車に過ぎない」という代替可能性を、諦念だけではなく、それぞれの立場で同じような悩みを抱えた「あなたに似た人」という(軽やかな)視点で捉えなおした点で、会社小説としての語りの構造の必然性はあるんだけど。もったいなかったのは「スタッキング可能」を絵解きしちゃうところで、あえて書かなくても意図は伝わったのではないか。
 収録作中、一番好きだったのは『もうすぐ結婚する女』。スタイルとテーマがいわゆるオーソドックスな従来の小説的だから、というのもあるかもしれないけど、些細な日常描写から登場人物のバックグラウンドがパッと展開する瞬発力に地力を感じたから。特に夫や母親の視点のナチュラルさ(「頭で書いている」と感じさせない感じ)は小説家としての膂力を見せられた気がしました。※
☆☆☆1/2(『もうすぐ結婚する女』は☆☆☆☆)
※娘が使っている食器が百均じゃなくてなんだかほっとした、という目線など、グッとくる描写でした。

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(アンソニー&ジョー・ルッソ)

 これは良くできた映画でした。なんだか数合わせで作られたようなぬるま湯の前作からすると驚きの進歩。『アベンジャーズ』がいい意味でのお子様ランチだとすると、大人な風格のある作品だと思う。
・冒頭のランニング合戦でのやりとりからして楽しい。気が利いたセリフはハリウッド映画の醍醐味だけど、全編にわたって上手く書かれたダイアローグが緩急自在に物語をドライブする。「・・・使える機能はあるのか?」「エアコンは快調です」はツボでした。
・船の攻略シーン。個人的にはここが一番面白かったかもしれないほど、僕が「テキパキシズル感」と呼んでいるところのチームアクション(ex.『ダイハード』のナカトミビル占拠シーン)が素晴らしい。各々が割り振られた役割を的確にこなしていく、あの感じ。演出と編集が上手く噛みあわないと発生しない目の快楽です。加えていうなら、冒頭のランニングシーンで地味ながら「常人ではない」印象を観客に与えていたのが効いていて、無敵のスーパーヒーローではなく「強化された人間」ならではの絶妙なアクション演出がなされていたように思います。
・あれ?ブラックウィドーって、ホークアイといい感じになってなかったっけ・・・※1
・誰もが指摘するところの『大統領の陰謀』『コンドル』を踏まえたレッドフォード起用ですが、前見た時よりあまりに老けてたのがショックで、おじいちゃん無理しなくていいんやで・・・という気持ちに思わずなってしまった。それはさておき、70年代ポリティカルサスペンスへの目配せという点では『マラソンマン』も意識してたと思うなあ。
・ナイフ格闘の殺陣もよく工夫されていて興奮したのだけど、近接戦闘でハンドガンを使うところが新鮮でした。ウィンターソルジャー超カッコいい。
・つまるところ、国を守るという大義の前には多少の犠牲はやむを得ないし、「積極的な対処」がむしろ必要、という様に、目的を見失って手段が暴走する話だったわけですが、結局、一部の悪い人たちが上層部にもいたよ!という風に矮小化されてしまったのが残念。むしろ「それ」こそが国家という生き物の意思だった、という物語だったら薄気味悪くてもっとよかったのに、とも思いましたが、そこまでやっちゃうとヒーロー映画の範疇を超えてしまうかな…。
・その点で、それを潔しとしないキャプテン・アメリカというのは、やはりアメリカ人が自らをしてこうあってほしいと望む「アメリカの良心」を象徴しているのだなと、特殊能力などはさておき、マーベルヒーローの中でも特別な存在なのだと得心しました。
☆☆☆☆☆
※1 スティーヴにいい娘をしきりにお薦めするあの感じ、よかったなあ・・・
※2 ところで重箱の隅をつつきますけれども、ヒドラが「支障となる芽は早く摘む」と、トニーの父ちゃんが若くして消された風になってたけど、結構いい年まで生きてたよね・・・、あと『アイアンマン』でコールソンが適当な略称を検討中っていってたのに、シールドって昔からある組織だったの?